先生の備忘録

2020年、大学院に行きます。

中学校・国語科を研究するブログ

学習指導要領改訂のポイント2

国語科の目標の在り方と学習評価

改訂される学習指導要領では、育成を目指す資質・能力として
 ①知識・技能
 ②思考力・判断力・表現力
 ③学びに向かう力・人間性

の3つを柱として掲げている。国語科でもこの柱に沿った目標が立てられている。以下のとおりである。
①社会生活に必要な国語の特質について理解し適切に使うことができるようにする。
②創造的・論理的思考や感性・情緒を働かせて思考力や想像力を豊かにし、社会生活における人との関りの中で、言葉で自分の思いや考えを深めることができるようにする。
③言葉を通じて伝え合う価値を認識するとともに、言語文化に関り、言語感覚を豊かにし、国語を尊重してその能力の向上を図る態度を養う。
また、現在の5観点=「関心・意欲・態度」「話す・聞く能力」「書く能力」「読む能力」「言語についての知識・理解・技能」が前の3つの柱に即して「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点に整理される。

国語科における「見方・考え方」

新しい学習指導要領においては、どのような視点で物事を捉え、どのような考え方で思考していくのかという、「見方・考え方」について、国語科では「言葉による見方・考え方」として以下のように示されている。
 自分の思いや考えを深めるため、対象と言葉、言葉と言葉の関係を言葉の意味、働き、使い方等に着目して捉え、その関係性を問い直して意味づけること。

学習過程の明確化

話すこと・聞くことに関しては以下の想定がなされている。
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(「国語ワーキンググループによるとりまとめ」より引用)

教育内容の見直し

答申で求められている教育内容の見直しについては以下の6点である。

  • 特に重視する能力:「情報を多面的・多角的に精査し構造化する力」「感情や想像を言葉にする力」「言葉を通じて伝え合う力」
  • 読書活動の推進
  • 語彙を豊かにする指導
  • 常用漢字表改訂への対応
  • 伝統文化に関する学習内容の整理
  • 学習の基盤となる言語能力の育成


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評価の仕方については、5観点から3観点に代わるということで、それぞれの基になっている3つの柱をどれだけきちんと理解して評価するかが、私たちの課題ですね。「とりまとめ」でも、これまでの「言語についての~」がそのまま「知識・技能」に、「話す・聞く/書く/読む」が「思考・判断・表現」に横滑りするわけではないので、さらなる検討が必要だとあります。

それと、個人的に気になる「伝統文化に関する学習内容の整理」です。これまで同様古典に親しみ、自分の生き方・考え方に活かしていくという路線はともかく、「文字文化についての理解を深める」というのは、具体的にどういう内容を指しているのでしょうか。
余談ですが、勤務校のあるX市の今年の教科研では「古典」が扱われるようです(見に行けないのが残念です)。古典って、教員の情熱が試される分野だと思うんですよね。古典に流れる考え方や生き方の現代との共通点や相違点を知ると、「昔は今と違って~だったんだなぁ、面白い!」とか「なんで千年前なのに今と考え方が同じなの?不思議!」とか、そういう風に興味をもってほしい分野です。とはいえ、私が好きなのは枕草子徒然草と和歌だけですから教材によって熱の入りようが違ってしまうんですけどね。

学習指導要領改訂のポイント1

学習指導要領等の改善の方向性

1 学習指導要領等の枠組みの見直し
以下①~⑥を理解したうえで、新学習指導要領を読み込んでいく必要がある。
①「何ができるようになるか」(育成を目指す資質・能力)
②「何を学ぶか」(教科等を学ぶ意義と教科等間・学校段階間のつながりを踏まえた教育課程の編成)
③「どのように学ぶか」(各教科等の指導計画の作成と実施、学習・指導の改善・充実)
④「子供一人一人の発達をどのように支援するか」(子供の発達を踏まえた指導)
⑤「何が身に付いたか」(学習評価の充実)
⑥「実施するために何が必要か」(学習指導要領等の理念を実現するために必要な方策)

2 カリキュラム・マネジメントの実現
前項①~⑥に沿った学習の枠組みを各学校が組み立て、家庭・地域と連携・協働しながら実施する「カリキュラム・マネジメント」については次の三側面が重要視されている。

  • 学校教育目標の達成に必要な教育の内容を組織的に配列すること
  • 子供たちの姿や地域の現状から、教育課程を編成すること
  • 教育内容、教育活動に地域を積極的に活用すること

3 「主体的・対話的で深い学びの実現(「アクティブ・ラーニング」の視点)
主体的な学び―学ぶことに興味や関心をもち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しをもって粘り強く取り組み、事故の学習活動を振り返って次につなげる
対話的な学び―子供同士の協働、教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ、事故の考えを広げ深める
深い学び―習得・活用・探究という学びの過程の中で、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう


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学習指導要領等の枠組み=学びの地図という言葉が出てきていますが、今後、どのように子供に学習させるかを考える上で必ず踏むべきステップ・指針となる6項目ということですね。
カリキュラム・マネジメントは重要なことですが、なかなか実現が難しそうです。例えば、一教科の担当教員が他の教科の学習内容を見て、結びつけるのはかなり難しいことですよね。かといってじゃあ校長が?それもまた難しそうな、、、。

話し合い活動について思うこと。

「月間国語教育」7月号を読んでの感想など

特集「話す・聞く・話し合う力を育てる学習過程と授業づくり」

どんな授業形態にするか、どんな集団形態にするか、どんなツールを使うかといった(省略)外的側面に加え、どのような問いや課題を立てていくか、その解決や実現を導くには、どのような内容知や方法知を提供したらよいかといった内的側面に着目すること(松下、2016)が鍵となる

(p.5より)

これは当然、話し合い活動をする際に考えていかねばならないこと。外的側面は考えざるを得ない(ここを決めないと授業が何も進まない)が、内的側面はよくよく熟考したい。私の場合も、研究授業ということで話し合い活動を行ったが、振り返ってこうした内的側面の不足感はかなりあった。
話し合いにしろ、作文にしろ、表現する内容が個人の中に充実しているかということは重要なことで、ここを満たさずに話し合いや作文を実施すると、非常に内容の薄い「右へ倣え」的な意見表出にしかならない。


今回一番納得したのは、長谷浩也氏の提言「指導プラン作成の前に必要なこと、それは『教材研究』」。「読むこと」「書くこと」の教材研究に比較して、「話すこと聞くこと」、「話し合い」そのものをどのように指示するかを示した指南書は少ないのでは、という指摘で、また、そうであるからこの場合の教材研究とは「話し合い例」の研究を行うことに着目している。

重要なことは、話し合い例中にある「話し合いを活性化するセリフ」や、逆に「話し合いを妨害するセリフ」を生徒にどのように確認させるかということだと思う。

そして、自分の実践を振り返って失敗したなと思うのは、こうしたキーとなるセリフには話型として使ってほしいものと、例えば論理的思考の賜物で出てくる優れた、重要なセリフという二種類があって、ついどちらも気づかせたいあまり、整理不十分なまま生徒に確認させてしまったことだ。

話し合いそのものを学ぶのであれば、潔く話型に集中させた方が良い?のかもしれない。ちなみにここでいう話型とは、例として「私も○○さんの~~という意見に賛成/反対です。」とか「○○さんの~~は良いと思いますが、××の点で課題があります」だとか、話し合いが脱線した場合に抑止する「待ってください、今は~~について話し合っています。」だとかそういったものだ。


さて、もう一つ、話し合い活動はiPadと相性が良い…と多くの指南があった。
というのも、読解の道筋や、作文の作品は後に残るものだが、話し合いの場合はそうでない。よくできたと思っていても本当にそうか当人には判別しづらい。そこで、例えば、2グループで組ませて、話し合いを実施するグループと話し合いをiPadで撮するグループでペアにし、話し合いが終わったところで、録画を振り返りながら観察グループが助言する、実施グループが助言や録画を参考に気づきを得る、という活動ができると思う。
残念ながら、私に当時そのやる気が出なかった(!)のと、学校で用意されているタブレットが不人気で誰も使っていない(使い勝手が悪い)という環境から、あきらめてしまった。


最後に、今日の学びを得て次に行いたいことを以下に列挙する。

  • 学習指導要領案の「話すこと・聞くこと」に関する部分をちゃんと理解する。
  • 中学校国語の教科書で扱う「話し合い活動」の「話し合い例」を集めて比較する。
  • 光村図書の国語教科書の小1~中3までで話し合い活動の取り上げられ方を比較する。

目標

中学校で約5年勤務経験のある教員です。教科は国語です。
このたび出産準備で休暇に入りましたが、来年春に復帰したいと思っています。また、復帰して2年経ったら一度学校は休職し、大学院に行きたいと思っています。興味があるのは話し合い活動の分野。議論は、自分が国語的な分野の中で一番苦手としていて、でもこれから必ず一番重要とされる分野だと思うから、ぜひ研究してみたいと思うのです。
日々の教員生活の中では、必ずしも学習指導のみに時間を割くことができず、実践を通して自分の教授能力を伸ばすことが目的ではないので(広く還元したい)、やはり一度腰を据えて理論の部分を学びたいと思っています。

そこで、産休に入って暇を持て余すより、いずれ2年後の自分が研究の取っ掛かりをつかみやすいように、今から少しずつ学習を進めていきたいと思います。このブログは、自分が得た知識をまずは自分のために記録することを目的としたいと思います。好き勝手に書いていく中で、もし同業者の方や教育を志す方の、何かしらアイディアにつながることがあれば、それもまた幸いです。

そんなふうなぼんやりとした気持ちですが、とにかく息子が生まれるまでの約1カ月、できれば毎日学んだことや考えたことなどをこのブログに記録していきたいと思います。


応援よろしくお願いします。